先日、第3回定例会の最終日、本会議終了後に議員研修会というのがあって、東京電力の元副社長だった方の講演があった。「地球は怒っている 資源と環境の未来を考えよう」というタイトルで地球46億年の歴史とエネルギーの話から原子力は時代の要請・・・という流れの話だった。東京電力の・・と聞いてこりゃこりゃと思ったけれど、最初の方の話は結構面白かった。地球環境がだんだん悪くなってきて憂いを感じているというところは同感だけど、途中から原子力賛美の話になってきたので、嫌気がさしてきた。それで、居眠りを試みた。少々不謹慎かもしれないけれど、一方的な話を無防備に聞かされるのはこの上ない苦痛だ。暴力に等しい。だけど、こういうときに限って睡魔さえ襲ってこない。胸が悪くなって眠ることも出来やしない。仕方ないから我慢して聞いていた。それで、耳に入ってきた言葉に反発しつつも疑問に感じた点もあったので、考えてみようと思ったしだいだ。
私の乏しい知識でも石炭は少なくともあと、1000年はもつと記憶していたけれど、その方の話では200年もたないと言う。本当かな?と思った。それから、その方は原子力賛美から「全ての根源は太陽の核融合」とか「自然放射線のない空間では生命維持はできない」とか「放射線は遺伝子活性の源」とか話されていた。
根源は核融合というのは、まぁいいとして、「放射線は遺伝子活性の源」というのはなんだろうか?遺伝子活性ってどういう意味で使っているのだろうか?ジャガイモの芽には毒が含まれている。ソラニンである。春になると自然の摂理でジャガイモは芽をだそうとする。しかし、食物として摂取したい私たちは栄養価の高いジャガイモを購入したい。そこで、出荷以前のジャガイモにコバルトを照射するのである。つまり、放射線をかけて芽が出ないように、発育をセーブするのだ。がんの治療などでも、コバルトは使われている。これもがん細胞をセーブさせるために使うのだろう。そう考えると、遺伝子活性と言えないのではないか・・・?放射線は確かにエックス線撮影などにも使われているし有益だと思う。しかし、遺伝子活性という言い方はいかがか?知識がないので反証もできないが、言いすぎではなかと感じる。
それで、さっそく“口直し”に手前味噌ながら、不破さんの書いた「21世紀と「科学の目」」を再読している。不破さんは「150億年の遺産ー生命に刻まれた星の生と死」というNHKスペシャルを観て感動しそれをもとにこれを書いた。これに根源の話が出てくる。150億年前の宇宙は水素とヘリウムの2つの元素しかなかったということがわかっていて、その後太陽クラスの大きさの星の温度が2億度(!)まで上がり原子が融合して原子番号8番の酸素まで出来上がるという。そして巨大な星が燃えて7億度くらいになると12番目のマグネシウムがそして、30億度になるとカルシウムが50億度になると26番目の鉄ができる。最後に大爆発(超新星)を起こして残りの重たい元素が出来上がる。どこかの遠い星の大爆発で出来上がった元素が私たちの身体を創り上げている。本当に雄大なスケールだぁ。
一度登りつめて楽な思いをすると、もう文化文明は後退できないだろうか?原子力を安易に推進するということは、なにか、生産力を人類が統制できないのと似ている気がする。幸福とはなんだろうか?という人類の価値観が変わればそれも可能な気がするが。先進国に自殺者は多いのである。いずれにしても、この数十年で人類は宇宙船地球号の危機的状況打開のために知恵と決断を迫られるだろう。環境問題、エネルギー問題はとても重要なので、今後も考え続けていきたい。
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