今日、申し入れを行った。次々と起こる出来事に対して憤りでいっぱいだ。東京は今年初めての猛暑日となったようだが、私たちの頭からも怒りの湯気が沸騰してわき上がっている。
以下、今日手渡した文書の全文。画像は左から根岸峰夫元市議、ねぎしかずこ市議、杉本俊一副市長、井坂しんや団長、大村洋子。
蒲谷 亮一 市長
2008年 8月 8日
原潜ヒューストンの放射能たれ流し、原子力空母ジョージワシントンの火災、米兵犯罪の裁判権放棄などの重大問題に対する横須賀市の対応についての申し入れ
日本共産党横須賀市議会議員団
団長 井坂 しんや
ねぎしかずこ
大村 洋子
昨日(8月7日)外務省によると、放射能漏れを起こしていた原潜ヒューストンが07年1月に横須賀港に入港していたとき放射能をたれ流していたことが明らかになりました。横須賀での原潜による放射能のたれ流しが06年の9月に原潜ホノルルに引き続いておこったことになります。
このような放射能のたれ流しついて、日本共産党横須賀市議団として強く抗議するものです。また、放射能のたれ流しが、1年以上も後になってから報告されるということは言語道断であり、合わせて抗議するものです。
これらは原子力空母ジョージワシントンの火災とならんで、いわゆる「ファクトシート」の安全説明が破たんしたことを重ね重ね示すものであり、これまで市が主張してきた安全性の説明を覆すもので、このまま原子力空母を受け入れることは到底できません。市長はすぐに原子力空母の配備容認の姿勢を撤回すべきです。
今回の事故に加えて、この間、原子力空母ジョージワシントンの火災、第1次裁判権の放棄の問題などがありましたが、横須賀市がとっている対応は不十分極まりないと言わざるを得ません。火災の原因究明に不熱心で、米軍や政府の言い分を鵜呑みにするだけで、放射能のたれ流しを容認する姿勢に至っては驚く外はありません。また、裁判権の放棄の問題については何のコメントも発表もしていないなど、市民の安全を守るべき職務が果たされていないと言わざるをえず、極めて遺憾であります。
よって、以下のことを早急に措置されるよう強く申し入れます。また、これらの項目に対する対応について文書で回答していただきたい旨を合わせて申し入れます。
記
原潜ヒューストンの放射能たれ流し問題について
・06年6月からたれ流ししていたと発表されているが、06年6月という時点がどのようにしてわかったか、その根拠を明らかにするよう求めること。
・たれ流しが06年6月からということになると、原潜ヒューストンが07年1月25日から29日の横須賀寄港時に放射能をたれ流していたことになります。このとき日本のモニタリングで検出されたとは報告されておりません。また、佐世保やホワイトビーチでもモニタリングでも検出されておりません。日本のモニタリング体制に問題がないのか、原子力安全委員会に再検討を求めること。
・06年9月の原潜ホノルルの時には、放射性物質が日本のモニタリングで検出されましたが、米軍側は放出を認めませんでした。これは今回の原潜ヒューストンのケースと矛盾した関係になっており、合理的説明を求めること。
・これまで横須賀に入港した原潜で、モニタリングにより異常値が観測されたものについては再度調査するよう求めること。
・原潜ヒューストンがたれ流したという放射性物質の核種を明らかにするよう求めること。また、ファクトシートによれば放射性物質の放出があり得ないことになっており、微量で人体や環境に影響があるなしの問題ではありません。市としてそのファクトシートの記載にしたがっても許されない出来事であることを明確にすること。
・原潜ヒューストンの放射性物質のたれ流しが2年以上も放置された理由、原因の究明、再発防止策を求めるとともに、少なくともそれまでの間、原潜をはじめとして、原子力空母を含むすべての原子力艦船の入港を中止するよう求めること。
原子力空母ジョージワシントンの火災の原因究明と再発防止について
・タバコが火災原因と推定しているが、その根拠を明らかにするよう要求すること。
・太平洋艦隊司令官が指揮をとって実施されたという火災原因調査の報告書等の全容を入手し、公表すること。
・火災原因が二重の規則違反、人為的行為によるものとしているが、ファクトシートでは「原子力軍艦の乗組員は、十分に訓練を受けており、…海軍の作業手順及び緊急事態の手続は、明確に規定され、厳格に実施されている。」という説明がなされている。これは実態がファクトシートの説明と明らかに違っていることを示しています。厳重に抗議するとともに9月末と言われているジョージワシントンの横須賀配備容認を撤回すること。
・今回の事故は、ファクトシートが安全性の保障にはならないことを証明していま
す。火災が航空燃料の貯蔵庫や弾薬庫に隣接するところで発生する可能性を否定できないこと、原子炉や制御室の近隣で人為的ミスが発生することも否定できないことなど、核事故につながる要因が陸上の原子力発電所より格段に多いことなどを実感させる事故であった。従って、これまでのように市が代わって市民に説明するのではなく、火災原因と再発防止策及び安全性について米軍と日本政府が直接市民に説明し、質疑応答できる形の説明会を市の責任で開催すること。
・消火に12時間も要し、80区画も被害を受け、修理に7千万ドル(約75億円)もかかるような火災がボヤと発表され、未だに正式な訂正もありません。いまもボヤと認識しているのか。なぜボヤと発表したのか。なぜ訂正しないのか。情報の扱い方に問題がなかったのか、以上の点を明らかにすること。
法務省が米兵犯罪の裁判権放棄を指示している問題について
・地位協定の改定を求めている立場から、国に対して厳重に抗議するとともに、第一次裁判権の放棄を指示した法務省の通達を破棄するよう求めること。
・横須賀で起こった事件のうち、法務省の通達に従って裁判権を放棄した事件について明らかにするよう求めること。
・横須賀刑務所における犯罪米兵の特権的待遇を止めるよう求めること。
以上
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