最近、放射能や原子力をめぐって世間を騒がすニュースが続いている。原子力空母ジョージ・ワシントンの横須賀配備を間近にして、それと関連して五月雨式に意図的に事を起こしている、あるいはマスコミを利用して情報を流している・・としか考えられない。とくにヒロシマ・ナガサキのこの時期に。
私の考えは邪推だろうか?
アメリカという国は全く信用できない。1人1人のアメリカンは気さくで陽気な人ばかりだろうが、軍や政府は何を考え何を起こすか知れない。今やイラク戦争の大義とやらはすっかり化けの皮が剥がれたが、それでもアメリカは戦争をやめようとしないしその裏で大儲けをしている連中がいる。
そのアメリカの尾っぽに言われるままついて行ってるのが日本だ。
まったく情けない。
私は先日のジョージ・ワシントンの火災、とりわけボヤという評価をめぐっての、日本の外務省の言動にはほとほと呆れた。憤りを通り越して呆れた。骨の髄まで植民地根性なのがよくわかった。
3800区画中80区画に延焼があり1人が重傷。20人以上が熱中症になった深刻な火災をボヤと言いくるめた。米海軍のホームページに載った画像では屈強な兵隊4人が水圧のかかるホースを手に消火活動を行っていた。空母の中にはダメージコントローラーという最悪のシチュエーションにおいても冷静に判断し行動する部隊があるという。訓練を重ねまさかの時にも彼らは的確に動くという。軍隊や原子炉や放射能について素人である私でさえも、そんな兵隊が20人以上参ってしまう火災はボヤであるなどとは思わない。しかし、外務省はボヤと評価し“情報操作”した。そう、私はこれは“情報操作”だと思う。
想像力を働かせれば、おそらく、現地はパニック状態になったにちがいない。なんせ、原子炉やジェット燃料と隣り合わせの恐怖を一番自覚しているのは乗組員である彼ら自身なのだから。しかも日本に配備が決まっている艦船の火災である。日本に原子力空母ジョージ・ワシントンを配備させるということは、米軍再編というジグソーパズル全体の重要なピースの1つなのだ。タイムラグはあるにせよ、すべての時間の流れの中で米政府もペンタゴンも日本政府も大きな痛手を受けたにちがいない。
どうするか・・・・この事実を公表するか、握りつぶすか、あるいは捏造するかか。おそらくこんな葛藤の中、ボヤという程度の火災として公表するにいたったのだろう。
3月には脱走米兵によるタクシードライバーの殺人事件があった。市民の中には原子力空母の是非を問う住民投票条例制定の署名運動もあった。情勢はピリピリしていた。市民が国民がみんなが原子力空母の動向を注視していた。そんな中の火災である。「よりによって、こんな時に!」外務省のエリート官僚の嘆きが聞こえてきそうだ。
この間、基地対策課や外務省のお役人と話をした感触だと、このボヤの一件の情報開示も米海軍による“ご好意”とのことだ。彼らの論理はこうだ。「まだ横須賀に配備もされてない原子力空母のことを情報提供してくれた。これはささいなことでも連絡するといってくれている米海軍の言葉のとおりの行動であり、これは何より信頼関係の賜物なのだ。防災協定の賜物なのだ。」
この感触は、先日申し入れを行った際の副市長のリアクションにも共通していた。原潜ヒューストンの放射能漏れが横須賀寄港時にもあったことが判明してなぜ市長は遺憾であると表明しないのかとの論議をすこし交わした。副市長は私たち共産党と立場が違うということをまずおっしゃった。これは詭弁である。市民の安全・安心を論じているのに、イデオロギーは関係ない。市民の生命にかかわることが揺らぐかもしれないというのに、そのことに不愉快さも示さない方が見識を問われるというものだ。
それから、副市長は確か「聞いているのは市民だけではないから」というようなことをおっしゃった。この答弁は至極難解である。確かに横須賀市長の一挙手一投足を注視しているのは、市民だけではない。とりわけG・W配備については日本政府もアメリカ政府も注視しているだろう。しかし、蒲谷市長は42万横須賀市民の代表ではないのか?横須賀市民の立場にしっかりたって日本政府やアメリカ政府にものをいうべきではないのか?
今秋の原子力防災訓練では汐入の住民が参加することに決まったが、神奈川新聞はそのことに着目して汐入連合町内会長さんの談話を載せていた。「放射能は目に見えない。速やかに住民に知らせてくれないと避難もできない。原子力の危険性をしっかり学ばなければ」と会長さんは語っている。これが市民のナマの声であり感覚なのだ。私は杉本副市長にこの記事を紹介し、市民感覚から市長はズレているということを申し上げた。このギャップが問題なのだ。
日米の再編強化の渦中で自分にはどうすることもできぬほどの大きな力によって牛耳られ、できるだけ穏便にことが運ぶように、見ざる言わざる聞かざるでやり過ごそうとしている様子が垣間見える。しかし、それは市民感情からひどく遠ざかったものであり、およそ市民の代表者、代弁者とは言えない。
この間の外務省、そして横須賀市の対応も奇異であり麻痺しているとしかいいようがない。
私は本当にコワさを感じている。
日本共産党としてこの間の放射能もれについて外務省やベースへ申し入れや抗議行動を行っている。詳細はねぎしかずこ議員のホームページをみてください。http://www.negishi-kazuko.jp/blog.php?ID=123
友人が「これぜひ読んでみて!」とすすめてくれた「空母マニア」。手に入れて読んだら、また感想を書きたい。
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