新原昭治さんの講演の内容のつづき。
横須賀にもモニタリングポストと言って空気中の放射性物質を量る機械がある。その数値をリアルタイムで紹介している画面が、私の知ってる限りでは市役所1階のテレビのある待ち合い所付近と久里浜行政センター玄関のところにある。そのモニタリングだが、1971年以前にはそれまで20m近くでも空気の監視作業ができたのにそれ以後からは50m以内の監視が禁止になったという。これが日米の密約によるものだとのことだ。
私みたいな素人でも、モニタリングがいかにあいまいかってことはわかる。例えば、秋の日ベランダで旬のサンマを七輪で焼いていたとする。油が滴り落ちながら白い煙がもうもうと立ち上る。風でも吹いていようものなら、白い煙はたなびいて一定方向にだけ向かう。その七輪から20m離れた360度と50m離れた360度を想像してみてほしい。風が吹いてたなびいている方角、(ここでは仮に12時の方向とする)は20mでも何とかサンマの焼ける粒子を検出できるかもしれない。でも、それ以外の方角、特に6時の方角では全然検出できないのではないか。まあ、例えが荒っぽかったかな、サンマなら食欲をそそるいい匂いが漂うが、放射性物質に匂いはない。だから機械で測定して感知するしかないわけだ。空気中でも海水でもよく、微量だからとか人体に影響はないから大丈夫なんですってよく聞くけれど、感知されたものは微量でもおおもとのところでは物凄く高濃度かもしれないし、とにかくモニタリングと言っても私は全然アテになんかならないと思っている。そして、この新原さんも「モニタリング・ポストの配置が実効のあがらないものになっているものが多い。」と指摘している。そのどう考えてもあてにならないモニタリングでさえも、20mから50mに監視区域を変えさせたのだから、逆に言うといかに、米軍がこの放射性物質の感知にこだわりをもっているかということだ。そう、たぶん、かなり探られたくないことなのだ。
この1971年の密約には日本語で「無期限」そして「極秘」とスタンプが押してあったそうだ。
画像は新原昭治さんのご本。
へぇ、そうなんですか。いい加減なところもあるんですね。
投稿情報: 大村洋子 | 2008年1 月22日 (火) 22:49
市民安全課の出前トークの際に、この密約について質問した報道関係の女性がいました。それに対する小貫さんの回答は、「あれについては、横須賀はキョトンとしている。横須賀での原潜の測定は、20mくらいで行っている」との事です。佐世保とホワイトビーチは、セキュリティ(フェンスがある)の関係で、50m以内には接近できないそうですが、横須賀にはフェンスがありません。
投稿情報: リコリス | 2008年1 月21日 (月) 06:57