2006年1月3日横須賀市米が浜通で会社員の佐藤好重さんが在日米海軍キティーホーク乗組員に殺害された。夫の山崎正則さん(画像左の男性)らが米兵と日本政府に損害賠償を求めた訴訟の判決が今日横浜地裁であり、私も傍聴に行った。
あまりにひどい事件でその時はもちろん激怒したが、その後もいっこうに米兵犯罪はなくならず原子力空母まで入港しこの間の一連の日米政府、米海軍、横須賀市の態度は呆れるばかりだ。
被告であるリース・ジュニア・ウィリアム・オリバーはすでに無期懲役が確定し服役している。この裁判の注目すべき点は原告側が直接、国と米海軍を相手にしているところだと思う。今までは米兵犯罪は社会的に知らされず被害者は「泣き寝入り」せざるを得ない状況だった。現に今日の報告集会の中でも「こういう事件が起きると国も米軍も一切謝罪しない。示談で済まそうと『いくらでも出すから好きな額を言いなさい』という。」という発言があった。まったくふざけた言い草だ。
判決としては結論的には原告側の言い分が通らなかったわけだが、裁判長も最後に「蛇足ですが・・・」と付け加えて「米兵犯罪は遺憾」と米兵犯罪の社会的責任を認める発言をしていたので、ここは評価できるしこの意味は大きい。
記者会見の中で、「被告は慰謝料を払いきれないのではないか?その場合どうなるのか?」という質問が出た。払えない場合はなんと日本政府が出すのだそうだ。日米安保条約・・・これが正体である。会場からはドヨメキが起こった。米軍に日本人が殺されてその慰謝料を日本政府が肩代わりする、こんなふざけた話があるだろうか?日本はだから未だにきちんとした独立国とは言えないのである。再び三度ここで国粋主義者の諸君に言いたい。なぜ怒らないのか!と。
考えさせられること大だ。
今日は一つの大きな節目だと思う。たたかいはまだまだ続く。山崎正則さんの勇気に改めて励まされた。
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