昨年の夏、参議院選挙で自民党が大負けをした当時の首相、安倍晋三氏は遅まきながらやっと9月になって辞意を表明した。どの会見を見ても、何を言ってるのか何が言いたいのかさっぱりわからない、「美しい国」の前に「美しい日本語」を身に付けていただきたい・・・何度そう思ったことか。
そのあとに出てきたのが、今の福田首相。無味無臭感を漂わせながら、いっこうに支持率は上がらず低空飛行だがそれでも粛々とことを運び、時折見せるイラついた表情が人間味を感じさせる。
今日、63回目の終戦記念日。
前首相は靖国神社に参拝し、現首相は参拝しなかった。小泉元首相は当然参拝している。国会議員のこの8月15日の靖国参拝の有無は当人の思想のバロメーターとして世間から見られ、特にアジア諸国から注視される。福田首相の真意はわからないが、現首相として参拝を見合わせたのは少なくとも前の2人よりはマトモだということだ。
靖国神社の犯罪性については今までにも、少し書いてきたしもっともっと掘り下げて考えていかなければならないと思っているのだけど、今日は少し、“特攻隊”について考えたい。「リング」で有名な鈴木光司氏が「なぜ勉強するのか?」という本の中で特攻隊と自爆テロを比較したり、若者を平気で犠牲にするのは日本だけではないか?というような興味深い中身を展開している。政治性ではなく文化人類学的に書いているのでサラリ感がありそれほど掘り下げられていないが、ほぼうなづける中身だった。
靖国神社に行くと神になったとされる若者の写真がズラーっと飾られている。そして「あなたたちの犠牲の上に今の日本の繁栄がある」などと言った内容の言葉が置かれている。感想ノートには感謝の言葉がやはり同年代の若者によって綴られている。
いっけん、そのとおり!という流れのようだけれど、巧妙なすり替えが仕組まれている。二十歳前後の将来ある若者を片道だけの燃料を積んだ飛行機に乗せて敵へ突っ込めと教える国家とはなんだ?何なんだ?こんな国家は恥ずかしい国家じゃないのか。美辞麗句で飾りつけたところで、ご本人や遺族には悪いけど、ハッキリ言って特攻隊は犬死じゃないか。そこのところから総括せずにいつまでも美化しているところに犯罪性がある。
今日はテレビで北京五輪の模様をたくさん観た。水泳の北島康介選手、体操の内村航平選手、若い力が弾けた。特に内村選手は息子と同い年なので、よけいにうれしく感じた。こういうふうに若い人が自分の夢に向かって全力を出せるそういう環境をつくっていくのが私たち年配者のつとめだと思う。若者を片道限りの燃料しか積んでない飛行機に乗せるような無謀なことは決してやってはならない。
画像は銀メダルに輝く内村航平選手。
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