つづき。
原子力空母が横須賀に配備されるという意味は、横須賀が危険にさらされるということと同時に、アメリカの世界戦略にもっと深く横須賀がかかわるようになるということだ。アフガン、イラク戦争に今までも横須賀から出撃して行った。横須賀は既に足場にされてきたが、これをもっと強固にしていこうというのが、アメリカの目論見なのだ。
もう6年くらい前になるだろうか。空母キティーホークの上に上がったことがある。いわゆる横須賀基地のフレンドシップデーに基地内に入ったのである。イラク戦争の前だったので、それほどチェックも厳しくなかった。キティーホークはさながら海の上に浮かぶ滑走路だった。考えてみれば私はあの滑走路に立ったのだが、あの滑走路はその後、イラクの人々を空爆した戦闘機を離発着させたのだった。こうして思い起こして文章を書くまで、そのことを考えもしなかった。自分の想像力の欠如を恥じる。ジョージ・ワシントンも当然、キティーホークと同じ仕事をするのだろう。たくさんの戦闘機(80機と言われている)を背負って自在に離発着させるのだ。
今夏、7月26日にヨコスカ平和美術展を観に行った。その中の古澤潤氏の絵に「イラクボディーカウンター」を描いたものがあった。これはキューレツだった。忘れかけていたものをガツンと叩き込まれた感じがした。私たちは間接的にイラクの人々を殺す手伝いをさせられている。そのことを考えさせられた。
これはまさにその、イラクボディーカウンター。イラクの民間人被害者数である。被害者数などという生易しいものではない。遺体の数なのだ。夥しい屍の数。マーク・ハロルド博士により始められ、現在は英米人が管理しているとのこと。情報源により誤差が生じるため最大値と最小値と両方が出ている。元のサイトはココ→ http://www.iraqbodycount.org/
原子力空母に反対するとは、これ以上、イラクの人々を殺させないことに直結する。横須賀市民も放射性物質の危険と隣り合わせを強いられるが、それよりもっとイラクの人々の生死がかかっているということ、これ以上、アメリカの世界戦略に加担するのはゴメンだという意思表示をすることなのだ。
まだ、つづく。
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