福島第1原発事故が、毎日テレビで放映される中、2009年にデンマーク、フィンランド、スウェーデン、イタリアで合作されたドキュメンタリーが緊急上映されているというので、観に行ってきた。
フィンランドのオルキルオトという地域に原発から出る高レベル放射性廃棄物の最終処分場“オンカロ(隠された場所)”が建設中だという。
オンカロはまるで地下都市のようになっていて、固い岩を爆薬でぶっ飛ばしたり、人が削ったりしてつくり進んでいる。
2100年完成予定だと言うから、あとかれこれ90年くらいかかるということだ。
この巨大システムは10万年間保持されるよう設計されていて、廃棄物が一定量に達したら二度とあけられないように封鎖されるのだそうだ。
“原子炉のゴミ”をどうするか・・・これは大変な問題だ。
ある人は「太陽に打ち込んだらいいじゃないか」と言い、ある人は「海底に埋めるべきだ」と言う。でも、どちらも万全ではない。打ち上げる際にもしもロケットが爆発して放射性廃棄物が飛び散ったらとか、確かに打ち上げの際にそんな事故が実際あったし、考えれば考えるほど難しい。
しかし、今のところ“原子炉のゴミ”を無害にする方法はないんだとか。
そこで、上記のようなシステムがつくられることとなった。
なんでも、フィンランドは18億年以上地下が安定してきたんだとか。
しかし、一方6万年後には氷河期が訪れるという人もいる。
ウランはいずれは枯渇するから、永遠に原子力に頼ることもできない。
つまり、最近の人類が後先をよく考えずに原子力に手をだし、出てきた放射性廃棄物の処理に困り仕方がないので、地下に埋蔵せざるを得なくなったということだ。
10万年前に遡るとネアンデルタール人の頃だという。
言語による意思の疎通もできやしない。
そのことを考えると、10万年後の人類に現在の人類のメッセージが届くのかどうか疑わしい。
映像に出てくる女性は「不確実性の下での意思決定」と言い「グッド・ラック」と言った。
何が、グッドラックだ・・・・。と思った。
真っ白な原野でトナカイが糞をするシーンがあった。
印象的なシーンだった。
オンカロは人類の知恵の象徴なのか、
未来人への冒涜なのか。
死を強要する可能性が少しでもある限り、知恵とは言えないと思う。
今までの人類とこれからの人類に恥ずべき行為だと私は思う。
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