築地の魚のセリの場所が外国人観光者の立ち入りを禁止した。このニュースは10日くらい前にテレビで知ったが、マグロを触ったり舐めたりしている不届者の外国人が映し出されていた。最近の外国人観光者はお決まりのコースでは飽き足らず、他にはない日本文化を目の当たりにするような体験型の観光を望んでいるという。舞妓さんの格好をしてみたり、秋葉原でオタク文化に触れたり、この築地のセリもその延長上の観光らしい。
舌を出しマグロの巨体を舐めている外国人を見て、ムカっとした。私は海外旅行や留学の経験がないので本当の意味での愛国心というものを実感したことがないのかもしれない。でも、確かにマグロを舐める外国人を見て日本文化を侮辱された感情が心の中に巻き起こったのは否めない。
この感情・・・これが愛国心か・・?
教育基本法が改悪される際に「愛国心は強いられるものでは決してない」とさんざん訴えてきた。小泉氏や安倍氏が首相の頃は国粋主義的なアナクロニズムの風が強かった。だからその状況下で国を愛する心というのは狭義の意味で過去の侵略を美化したり、最近で言えば元幕僚長の田母神氏の書いた論文に見られる中身に直結した。愛国心という言葉は慎重に使われるべき言葉だった。しかし、本来は自分の生まれ育った国を思う心というのは自然な感情であるべきだと思う。最近読んだ免疫学者の多田富雄氏のエッセーには「帰属意識」という言葉を用いてこの愛国心について書かれてあり合点がいった。
20代の頃は狭い1国にこだわる愛国心はナショナリズムであり侵略行為につながるのでよくない。コスモポリタニズムこそ目指すべき考え方だと思っていた。でも、年かなぁ・・・。最近はとんと日本的なものにひかれるようになった。そもそも確固としたオリジナリティがなければ外国と対等に渡り合っていけないのではないかという気がする。これは優劣の問題ではない。
ほとんど何も知らないのにゼッタイこれが正しんだ!などと軽はずみに発言することは止めたいと思う。もっともっと深い。日本文化は。
明日から新年。玄関にはじめて正月飾りをお目見えさせた。わらと稲穂は新潟県魚沼産。「そこまでこだわるか~」と夫に笑われた。だって、愛国主義者だもん。
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